一人の男 その3
リャマです。
前回は、口が上手いN君に口げんかでボコボコにされながらも、その歪な形の友情を保ちながら中学生になったというところまででした。
僕は中学時代陸上部に所属していました。小学生の時に僕の仲良い友達数人が少年団のようなものに所属しており、その友達数人に誘われたというのが入部の経緯なのですが、僕の仲良い友達とN君も仲良いので、N君も陸上部に所属していました。
1年生の頃はN君とは違うクラスだったのですが、2年生になるとクラス替えがありました。クラス数は2クラスということで、どのような振り分けになるか数日前からとても楽しみにしていました。ある日の部活の練習中に新しいクラスのメンバーが貼り出されたので、仲間全員で見に行ったのですが、今でもその場が凍り付いたのを覚えています。
同じ部の中に僕を含めて男子が7人居たのですが、僕のクラスには僕とN君、もう片方のクラスに残り5人の仲間が集まるという驚愕の組み合わせでした。
この時は心から天を恨みました。
僕とN君の微妙な仲を知っていた仲間たちは何も言わずに苦笑い、僕とN君も現実を受け止めきれずその場にうなだれるという、なんとも言い難い雰囲気がその場に流れたのを覚えています。
出会ってからもう何年も経っているのに、未だに互いを心から受け入れきれておらず、心ばかり成長したために、N君との関係が大きく変わる一つの事件に繋がることになります。
続く。
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